2012年9月号(創刊第5号)

皆様、こんにちは。奈良市で社会保険労務士事務所を開業している
小野啓一です。いつもお世話になっております。
暑い日が続きますが、その反面、日に日に秋の便りが近づいてきて
いるように感じます。

このメールは以前名刺交換をさせていただいた方を中心に、5月号
から月刊で発行させていただいており、今回、創刊第5号を送る
運びとなりました。
私は、ここ数か月で徐々に新しい仕事が入ってくるようになり、
これからが本当のスタートといったところです。
近々、給与計算を中心にキャンペーンを打ち、10月には、その
関係で無料セミナーを開催する予定でいます。

お役に立つ情報を提供するように努めていきますが、居住地、年齢、
性別、職業など様々な方にお送りしているのと、字数の制約などで
すべての方を満足する情報提供ができないことをご了承ください。
今回は、公的年金関係の話題を2本取り上げます。
8月は税と社会保障の一体改革の一環で、消費税増税が話題になり
ましたが、公的年金関係でもかなりの動きがありました。
1本目は、国会で審議されていた本来よりも高い老齢基礎年金等
をもらっている人の特例水準解消が先送りされた件、2本目は、
今年10月から3年限定で始まる国民年金の後納制度を取り上げます。
難しい内容もありますが、紙面の関係もありますので、必要があ
れば、リンクのサイトを見ていただくか、当社労士事務所、年金
事務所等にお問い合わせください。
また、私が持っているホームページにも、同じ内容の文書を上げて、
過去のものをいつでも閲覧できるようにします。

今回初めての方は、突然のメールで申し訳ありません。今後、不要
の場合は下記のリンクをクリック、又はアドレスを変更される場合
は、返信で連絡をいただければ次回から申し出の通り対応いたしま
す。

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【記事9】老齢基礎年金等の特例水準解消ならず
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ここでは、国民年金法による老齢基礎年金等を本来よりも高い水準
(特例水準)でもらっている人の是正問題について書くことにします。
平成24年の老齢基礎年金の受給額は、保険料を40年納めた場合、
年額786,500円となっています。
ただ、この額は本来の額より2.5%高い水準であり、平成24年から
3年かけて、毎年10月(実際の受け取りは12月)に本来の水準に
是正することが言われていましたたが、先日、国会審議時間が取れ
ないことなどで期間延長になりました。

そもそも、なぜ、高い水準で支払うことになったのでしょうか?
その理由としては、平成11年から3年間で物価が1.7%下落したが、
年金給付額もそれに応じて引き下げる本来のやり方をせず、景気が悪
くなっていたこともあり、実際は引き下げませんでした。これが原因
の発端です。
その後も、物価の上昇、下落(長期的には下落)を繰り返す中で、1.7
%が平成22年は2.2%、平成23年以降は2.5%と広がっていきました。
この過程を示した厚生労働省のサイトから取ったグラフを示します
(4頁参照)。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/topics/2012/dl/0829_01_21.pdf

この2.5%を3年間かけて、毎年0.8~0.9%ずつ是正しようという
のが今回の趣旨でありました。

ちなみに、私自身が老齢年金のテーマで一般向けにセミナー講師を
させていただいたときに、この図を示し、引き下げがあるかもしれ
ない、ということは説明してきました。そうなると、4月と10月の
2回改定になり、無駄な事務経費がかさむことになります。改定を
放置すればそれ以上に無駄な経費が出ていきます。公平性と経費の
削減という観点からも、早急に見直してほしいと思っている人も
少なくないでしょう(特に若年者)。

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【記事10】国民年金後納制度が始まります
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もう一つ、年金関係でコラムを書くことにします。
日本の公的年金制度下では、25年間の保険料納付、免除、合算対
象期間(加入が義務でなかった時に、加入をしていなかった期間)
のいずれかが必要です。国民年金のみ、厚生年金、共済年金、
サラリーマンや公務員の扶養の期間でもOKです。現在の制度
下では、保険料滞納でもない限りは、20歳から60歳までは

何らかの制度に入っている(合算対象期間もあります)ため、

ほぼ40年間を期間に含めることができるはずです

(任意加入の制度もあります)。

それでも、実際には25年に満たず、老齢基礎年金をもらえない人
も大勢おり、対象となる約1,700万人に対して、今年10月から3
年間の期限で過去10年にさかのぼって保険料を支払うことができ
るようになる旨のお知らせ(「国民年金保険料の納付可能期間延長
のお知らせ」)が日本年金機構から送られていると思われます。
もちろん、審査の上で決定されるのですが、この期間に現在は、
時効の関係で2年しかさかのぼれないのであるから朗報であると
いえます。
但し、2年を超えた過去分の追納は加算金がかかるため、決して安
い額とは言えないと思います。この方法で納めることによって受
給権を得られなくても、後から還付できるわけではないし、もら
えても少しだけの場合は、あえて追納しない判断もできるでしょう。

これで、どの程度の方が年金受給に結び付けるかはわかりませんが、
少しでも受給に結び付けばありがたいはずです。

参考(順番に、厚生労働省、日本年金機構の該当ページ)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/topics/2012/tp0801-01.html
http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=6221

なお、平成27年10月から現在の25年の受給要件を10年にまで
短縮する予定になっています(こちらは決定です)。

(注)追納される場合の最終判断はご自身でお願いします。本稿の
内容により損害を被られた場合でも、賠償責任には応じかねます。

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【講師実績(一般向け)】
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4月15日:奈良県立図書情報館において老齢年金に関する基礎的
     な講義を実施。聴講者約20名。
7月7日:日本FP協会奈良支部主催のFPフォーラムにて講師。
     聴講者約110名。
7月8日:奈良県立図書情報館において遺族年金に関する基礎的
     な講義を実施。聴講者約20名。
10月7日:奈良県立図書情報館において、「給与明細書の見方、
     教えます」の題で講義を実施予定。

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【9月の社会保険手続きカレンダー(主なもの)】
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10日 ・一括有期事業開始届(概算保険料160万円未満かつ請負金額
    1億9000万円未満の工事)
   ・源泉徴収税・住民税特別徴収税額の納付(事業主)。
31日 ・健康保険・厚生年金の保険料納付(事業主)。
   ・年金受給者の現況届(誕生月の者。住基ネットで現況確認
    ができない場合。)
その他 厚生年金保険料改定(天引きは10月分給与から)。

以上です。最後までお読みいただきましてありがとうございました。
来月号もよろしくお願いします。