2012年10月号(創刊第6号)

皆様、こんにちは。奈良市で社会保険労務士事務所を開業している
小野啓一です。いつもお世話になっております。
秋の便りが近づいてきて、朝晩を中心に日に日に涼しくなってきて
おります。

このメールは以前名刺交換をさせていただいた方を中心に、5月号
から月刊で発行させていただいており、今回、創刊第6号を送る
運びとなりました。

10月7日(日)に、奈良県立図書館において「給与明細の見方 
教えます」の題で無料セミナーを開催する予定でいます。


お役に立つ情報を提供するように努めていきますが、居住地、年齢、
性別、職業など様々な方にお送りしているのと、字数の制約などで
すべての方を満足する情報提供ができないことをご了承ください。
労働関係の法改正も数多くありますが、今回は、社会保険関係の
話題を2本取り上げます。
1本目は、すべての会社員に影響する厚生年金保険料改定の件、
2本目は、先日発表された厚生年金基金廃止に関する件をお送り
します。
難しい内容もありますが、紙面の関係もありますので、必要があ
れば、リンクのサイトを見ていただくか、当社労士事務所、年金
事務所、各厚生年金基金等にお問い合わせください。
また、私が持っているホームページにも、同じ内容の文書を上げ
て、過去のものをいつでも閲覧できるようにします。

今回初めての方は、突然のメールで申し訳ありません。今後、不
要の場合は下記のリンクをクリック、又はアドレスを変更される
場合は、返信で連絡をいただければ次回から申し出の通り対応い
たします。

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【記事11】今月天引き分から厚生年金保険料率が改定されます
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少子高齢化の進展と総報酬額の低下傾向により、社会保険はどこも
厳しい状況が続いています。
特に、健康保険と公的年金の保険料は上昇の一途を辿っており、
今月の給料から厚生年金保険料天引き額が変わります。
従来は労使合わせて16.412%でしたが、今月からは16.766%に
上がります。給与(標準報酬)が20万円だと、保険料は労使それ
ぞれ毎月16,412円から16,766円の負担に増えます。平成29年
までは上がり続けることが決まっており、最終的に18.3%になる
予定です。先ほどの計算では18,300円になります。
公務員の共済制度では保険料率が少し抑えられていますが、上昇
の一途を辿っていることに変わりありません。
健康保険料はいつまでに何%ということは決まっていませんが、
下がることは考えにくいです。毎年4月の給与天引き分から変わ
りますが、現在では、協会けんぽで労使合わせて約10%程度です。
40歳になるとこれに介護保険料1.55%が加わります(65歳になる
まで)。つまり、企業は従業員一人に対して、給与、賞与の約3割
もの社会保険料を払っているのです。
この仕事にかかわっていない方々は、今まで給与明細といえば、
総振込額しか見てこなかった方も多いでしょう。これを機に天
引きの内訳を考えてみるのはいかがでしょう。
その理解を目的とするために、別掲の通り10月7日に奈良市内
でセミナーを行います。

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【記事12】厚生年金基金制度廃止へ
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景気低迷などによる投資環境の悪化や、AIJ投資顧問による年
金消失問題などを受け、9月27日に厚生年金基金制度の廃止の方針
であることが報道されました。

現時点では具体的なことはまだ詰められていないので何とも言え
ないのですが、国の厚生年金を代行している部分が足りない、
いわゆる「代行割れ」のリスクをこれ以上広げないために、厚生
労働省で廃止という意見が出てきました。

厚生年金基金とは、本来の国が行う厚生年金制度の一部を基金が
代行して独自に運用し、厚生年金を上回る成果を出すのを目的と
して、昭和41年にスタートした制度です。高度成長期であれば、
金利も高く、簡単に高利回りが達成できたのですが、今となって
は低金利、株価低迷で損失が膨らんでいる基金が多いのが現状です。
国の厚生年金は、投資運用が厳しく制限されており、それを補完
する意味合いもあったようです。
現在では、大企業は、早い段階で解散して他の制度に移行している
ところが多く、現在残っているのは、寄合所帯の「総合型」と
呼ばれる基金が大部分です。AIJで問題になったのもこうした
総合型の基金です。

厚生年金基金に関してよくあるご質問(企業年金連合会)
 基金の制度、仕組みから、脱退一時金の移管まで書いてあります。
http://www.pfa.or.jp/qa/kosei/kousei01.html

詳細は、当事務所、各厚生年金基金又は企業年金連合会にお問い
合わせください。

特に加入者、受給者、年金業務に何らかの関わりがある方などは
今後の行方を注視する必要があります。

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【先月の補足・注意】
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先月の【記事10】(国民年金後納制度が始まります)で少し補足 
をさせていただきます。

国民年金後納制度については、先月のメール、又は、
以下のサイトをご覧ください。
参考(順番に、厚生労働省、日本年金機構の該当ページ)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/topics/2012/tp0801-01.html
http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=6221

先月のメールで、「なお、平成27年10月から現在の25年の受給要
件を10年にまで短縮する予定になっています(こちらは決定です)。」
と書きました。
8月に国会の法案は成立したので、決定と書きましたが、もし何
らかの事情で平成27年10月に消費税率が予定通り10%にならな
かった場合は、この10年という受給要件緩和は先延ばしされる
ことになります。
決定と言い切ることは適切ではありません。老齢年金受給予定者で、
25年の期間に足りない方は要注意です。

本メールは、あくまでも情報提供の場であり、具体的事例に関して
は、できるだけ年金事務所などの公的機関や専門家に相談するなど
して解決し、最終判断はご自身でお願いします。
特に、国民年金の後納制度については、受給要件緩和と相まって、
正確な情報と知識が要求され、判断が難しいところです。

なお、誤りや指摘事項を発見した場合はお知らせいただけると助か
ります。また、最善の注意は払っていますが、無料提供である以上、
本メール及び事務所サイトのみを信じて損害を被った場合でも、賠
償責任には応じかねますのでご了承ください。

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【講師実績(一般向け)】
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4月15日:奈良県立図書情報館において老齢年金に関する基礎的
     な講義を実施。聴講者約20名。
7月7日:日本FP協会奈良支部主催のFPフォーラムにて講師。
     聴講者約110名。
7月8日:奈良県立図書情報館において遺族年金に関する基礎的
     な講義を実施。聴講者約20名。
10月7日:奈良県立図書情報館において、「給与明細書の見方、
     教えます」の題で講義を実施予定。

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【10月の社会保険手続きカレンダー(主なもの)】
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10日 ・一括有期事業開始届(概算保険料160万円未満かつ請負金額
    1億9000万円未満の工事)
   ・源泉徴収税・住民税特別徴収税額の納付(事業主)。
31日 ・健康保険・厚生年金の保険料納付(事業主)。
   ・年金受給者の現況届(誕生月の者。住基ネットで現況確認
    ができない場合。)
   ・労働者死傷病報告書の提出(休業4日未満、7~9月分)
その他 大部分の企業で、改定された厚生年金保険料の給与天引き
    開始月(前述の記事11)

以上です。最後までお読みいただきましてありがとうございました。
日に日に秋めいて涼しくなってきます。寒暖差に留意して、体調管理に
ご留意の上、お過ごしください。
来月号もよろしくお願いします。